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40代から要注意! 緑内障にかかりやすい人の特徴と、早期発見に欠かせない精密検査、治療法

2026年7月21日

40代から要注意! 緑内障にかかりやすい人の特徴と、早期発見に欠かせない精密検査、治療法

「最近、文字が見えにくくなった」「目が疲れやすくなった」と感じることはありませんか。また、ご家族の見え方の変化が気になっている方もいるでしょう。

緑内障は高齢者だけの病気ではなく、40代以降は特に注意したい眼疾患の一つです。日本人に多い正常眼圧緑内障は、眼圧が正常範囲内でも発症し、進行するため、健康診断の眼圧測定だけでは見つからない場合があります。一度失われた視野は元に戻りません。しかし、自覚症状のない段階で発見し、適切な治療を続ければ、進行を抑えながら見え方の維持が期待できます。

本記事では、正常眼圧緑内障の基本知識やリスクが高まりやすい人の特徴、検査・治療法などを解説します。日常生活で気を付けたいポイントも紹介するので、ぜひ参考になさってください。

【この記事で分かること】

  • 40代以降や強度近視、家族歴がある人は緑内障のリスクが高まりやすい
  • 緑内障は自覚症状が乏しく、眼圧検査だけでは見落とされる場合がある
  • 早期発見には、眼底検査・視野検査・OCT検査などの精密検査が必要となる
  • 緑内障の進行を抑えるには、点眼・レーザー・手術による治療の継続が重要である

40歳以上の20人に1人が罹患している緑内障とはどのような病気?

まずは、緑内障の基本的な仕組みについて解説します。病気の特徴を理解しておくことで、早期発見や治療の重要性も分かりやすくなるでしょう。

緑内障とは、目で受け取った情報を脳に伝える視神経が障害され、視野が徐々に狭くなっていく進行性の病気です。初期には視界の端から少しずつ欠けるため、自覚しにくい傾向があります。

一度障害された視神経や視野は、現在行われている治療でも元には戻りません。そのため、治療の目的は視野を回復させることではなく、進行を抑えることです。

また、緑内障は日本人の失明原因として大きな割合を占める病気とされており、高齢者に限った病気ではありません。日本緑内障学会が行った「日本緑内障学会多治見緑内障疫学調査(通称:多治見スタディ)」では、40歳以上の日本人の5.0%が緑内障に罹患していることが報告されています。これは20人に1人の割合です。だからこそ、症状がなくても定期的な眼科検査を受けることが重要です。

次では、日本人に多い「正常眼圧緑内障」について詳しく解説します。

※参考:日本緑内障学会.「緑内障疫学調査」.https://www.ryokunaisho.jp/general/ekigaku/tajimi.php ,(参照2026-07-14).

日本人に多い「正常眼圧緑内障」の特徴

緑内障にはいくつかの種類があります。中でも日本人に多いのが正常眼圧緑内障です。
 
一般的な眼圧の正常範囲は10~21mmHg とされています。しかし、正常眼圧緑内障では、この範囲内であっても視神経に障害が生じ、視野が徐々に狭くなります。日本緑内障学会が行った「日本緑内障学会多治見緑内障疫学調査」では、正常眼圧緑内障は緑内障全体の約7割を占めると報告されています。
 
そのため、健康診断で眼圧が正常だったとしても、緑内障ではないとはいえません。眼圧検査だけではなく、眼底検査や視野検査、OCT検査などを組み合わせた精密検査が早期発見には欠かせないでしょう。
 
一方で、正常眼圧緑内障でも適切な治療を行えば進行を抑えられる可能性があります。
 
「眼圧が正常だから安心」と自己判断せず、40歳を過ぎたら定期的に眼科で精密検査を受けることが大切です。
 
 
※参考:日本緑内障学会.「緑内障疫学調査」.https://www.ryokunaisho.jp/general/ekigaku/tajimi.php ,(参照2026-07-14).

自分も当てはまる? 緑内障のリスクが高まりやすい人の特徴

緑内障は、加齢だけで発症する病気ではありません。体質や遺伝、持病など、複数の要因が重なることで発症リスクが高まると考えられています。

リスク因子に当てはまる方は、自覚症状がなくても定期的な眼科検診を受けることが重要です。ここでは、緑内障のリスクが高まりやすい主な特徴を解説します。

40代以降の中高年である

緑内障は年齢とともに有病率が高まる病気です。そのため、40代を迎えたら定期的な眼科検診を意識しましょう。

日本緑内障学会の「日本緑内障学会多治見緑内障疫学調査」では、40代の有病率は2.2%という結果でした。50代は2.9%、60代は6.3%、70代は10.5%、80代以降は11.4%と、年齢を重ねるほど有病率が上昇します。

これは、加齢に伴い、視神経の耐性や血流が低下することが一因と考えられています。また、70代以降では落屑(らくせつ)緑内障を発症するリスクも高まります。

「まだ40代だから大丈夫」と考えるのではなく、この年代から定期検査を受けることが早期発見につながるでしょう。

※参考:日本緑内障学会.「緑内障疫学調査」.https://www.ryokunaisho.jp/general/ekigaku/tajimi.php ,(参照2026-07-14).

強度の近視がある

強度近視の方は、緑内障のリスクが高いことが知られています。一般的な近視ではなく、強度近視が対象です。

強度近視では眼球の奥行きである眼軸が長くなります。その影響で、視神経乳頭が変形しやすくなり、視神経が物理的な負荷を受けやすくなると考えられています。

そのため、強度近視の方は緑内障を発症するリスクが高いとされています。一方で、強度近視だから必ず緑内障になるわけではありません。

自覚症状がない場合でも、定期的に眼底検査やOCT検査などを受けることが大切です。

糖尿病などの持病がある

糖尿病や高血圧などの全身疾患も、緑内障のリスクを高める要因とされています。血流障害が起こることで、視神経へ負担がかかるためです。

特に糖尿病では、高血糖状態が続くことで網膜の血管が障害される場合があります。その結果、新生血管が増え、房水の流出路を塞ぐことで続発緑内障(血管新生緑内障)を引き起こすことがあります。

糖尿病になったからといって、必ず緑内障を発症するわけではありません。しかし、持病を適切に管理することは目の健康を守る上でも重要です。

糖尿病や高血圧で治療を受けている方は、内科だけではなく眼科でも定期的な検査を受けましょう。

なぜ気付かない? 緑内障の初期症状と放置する危険性

緑内障は、初期には自覚症状がほとんど現れません。視野が欠けても気付きにくいため、症状がない場合でも注意が必要です。

放置すると視野障害が進行する恐れがあります。ただし、早期に発見し、治療を続ければ進行を抑えられる可能性があります。ここでは、気付きにくい理由と放置する危険性を見ていきましょう。

初期から中期にかけては自覚症状がほとんどない

緑内障は、急性のタイプを除き、十数年という長い期間をかけてゆっくり進行することが一般的です。そのため、初期から中期には自覚症状がほとんど現れません。

初期段階では、視野の一部が欠けても視力は保たれやすい傾向があります。普段通りに文字を読めることも多く、病気に気付かない方も少なくありません。

日本緑内障学会の「日本緑内障学会多治見緑内障疫学調査」では、緑内障が見つかった方の約9割が、それまで診断や治療を受けていなかったと報告されています。

症状がないことは、病気がないことを意味しません。早期発見のためには、自覚症状に頼らず定期検査を受けることが大切です。

※参考:日本緑内障学会.「緑内障疫学調査」.https://www.ryokunaisho.jp/general/ekigaku/tajimi.php ,(参照2026-07-14).

視野が欠けても脳やもう一方の目が補い合う

緑内障による視野の欠けは、視界の周辺部から少しずつ始まります。日常生活でよく使う中心視野は、比較的後まで保たれやすいのが特徴です。

また、人は両目を使って物を見ています。片目の視野が欠けても、もう一方の目や脳が欠けた部分を無意識に補うため、異変に気付きにくくなるのです。

片目ずつ閉じて見え方を確認するセルフチェックもあります。ただし、異変を自覚した時点で、視野狭窄が半分以上に広がっている可能性も否定できません。

セルフチェックだけで緑内障を診断することは困難です。視野の欠けを早い段階で捉えるには、眼科で精密検査を受ける必要があります。

治療を怠り放置すると失明に至るリスクがある

緑内障は、自覚症状がなくても少しずつ進行する病気です。治療を行わずに放置すると、視野の欠けが広がる可能性があります。

初期には周辺部に生じた視野欠損が、進行すると中心部にも及びます。中心視野が障害されれば、読書や運転などの日常生活にも大きな支障が出るでしょう。

一度障害された視神経や失われた視野は、現在の治療や手術でも元には戻りません。そのまま進行すると、失明に至るリスクもあります。

一方で、早期に治療を始め、眼圧を適切に管理すれば進行を抑えられる可能性があります。自己判断で治療を中断せず、定期的な通院を続けることが重要です。

緑内障の早期発見に欠かせない眼科の精密検査

健康診断の眼圧検査だけでは、正常眼圧緑内障を見落とす可能性があります。緑内障の診断では、役割の異なる複数の検査を組み合わせて判断することが重要です。

ここでは、眼科で行われる代表的な精密検査について解説します。

目の固さを測定する「眼圧検査」

眼圧検査は、眼球の内側からかかる圧力を測定する検査です。目の弾力性や固さを確認し、緑内障の診断や治療経過の把握に役立てます。

眼圧は、眼球内を循環する房水の量や流れによって変化します。数値が高い状態が続くと、視神経に負担がかかる可能性があるため注意が必要です。

ただし、眼圧が正常範囲内でも緑内障を発症する場合があります。日本人に多い正常眼圧緑内障は、眼圧検査だけでは判断できません。

そのため、眼底検査や視野検査、OCT検査などを組み合わせて総合的に評価します。

視神経や網膜の異常を調べる「眼底検査」

眼底検査は、目の奥に光を当て、視神経や網膜の状態を確認する検査です。緑内障による構造的な変化を調べる上で重要な役割があります。

主に確認するのは、視神経乳頭の陥凹や網膜血管、視神経線維の状態です。緑内障では、視神経乳頭のへこみが広がることがあります。

一般的な眼底検査では、瞳孔を広げる散瞳薬を使用する場合があります。検査後はまぶしさが続き、車の運転を控える必要があるでしょう。

一方、広角カラー眼底カメラを導入している眼科では、散瞳薬を使わずに撮影できる場合があります。検査方法や設備は医療機関によって異なるため、受診前に確認してください。

見える範囲の欠け具合を調べる「視野検査」

視野検査は、片目ずつ光への反応を確認し、見える範囲の欠けを調べる検査です。視野障害の有無や進行度を評価するために行います。

検査では、正面を見たまま周囲に現れる光を確認し、見えたときにボタンを押します。本人の反応を基に測定するため、自覚的検査と呼ばれています。

視野検査は、緊張や疲労の影響を受けやすい検査です。見えないと感じた光には無理に反応せず、リラックスして受けましょう。

両目を開けた自然な姿勢で、片目4〜5分ほどで測定できる機器を導入しているクリニックもあります。ただし、検査方法や時間は医療機関によって異なります。

網膜の断面を詳細に撮影する「OCT(光干渉断層計)検査」

OCT検査は、近赤外線を用いて網膜や視神経の断面を撮影する画像検査です。目に機器を触れさせず、三次元画像として詳しく観察できます。

この検査では、視神経を構成する神経線維層の厚さを測定できます。そのため、視野検査で異常が現れる前の小さな変化も捉えやすい点が特徴です。

視野の欠けがまだ現れていないものの、視神経の障害が始まっている状態を前視野緑内障と呼びます。OCT検査は、こうした初期段階の発見にも役立ちます。

ただし、OCT検査だけで緑内障を確定するわけではありません。眼圧検査や眼底検査、視野検査の結果と併せて判断します。

緑内障の主な治療法

緑内障の治療では、眼圧を下げて病気の進行を抑えることが重要です。失われた視野を回復させる治療ではありません。

病状や目の状態に応じて、点眼薬やレーザー治療、手術を選択します。ここでは、主な治療法について解説します。

点眼薬(目薬)による薬物療法

緑内障の治療では、眼圧を下げることが基本です。多くの場合、まずは点眼薬による治療を開始します。点眼薬には、房水の産生を抑える薬や、房水の排出を促す薬があります。

ただし、薬の種類によっては心疾患や喘息に影響する場合があります。副作用が気になるときは、自己判断で中止せず医師に相談してください。

点眼は1回につき1滴が基本です。複数の点眼薬を使用する場合は、5分以上の間隔を空けましょう。毎日正しく続けることが、視野を守る上で重要です。

房水の流出を促すレーザー治療(SLT)

点眼薬で眼圧が十分に下がらない場合は、レーザー治療を検討します。副作用やアレルギーによって点眼を続けにくい方も対象です。

SLTは、選択的レーザー線維柱帯形成術の略称です。低出力のレーザーを線維柱帯に照射し、房水の流れを改善して眼圧を下げます。

点眼麻酔で行うため、痛みは比較的少ない治療です。外来で受けられ、治療時間は数分〜10分程度とされています。

ただし、効果には個人差があります。数カ月〜数年で効果が弱まる場合もあるでしょう。必要に応じて追加照射や別の治療を検討します。適応については、目の状態を確認した上で医師が判断します。

眼圧を大幅に下げるための手術

点眼薬やレーザー治療を行っても、視野障害の進行を抑えられない場合があります。その際は、眼圧を下げるための手術を検討します。

手術では、房水を外に排出する新たなバイパスを作ります。房水の流れを改善し、眼圧を下げることが目的です。

近年は、MIGSと呼ばれる低侵襲緑内障手術も行われています。傷口を小さく抑えやすく、目や体への負担が比較的少ない術式です。

白内障を併発している場合は、白内障手術と同時に行えることもあります。ただし、日帰り手術の可否や適した術式は症例によって異なります。病状や進行度を踏まえ、医師と相談して治療法を決めましょう。

緑内障患者が心掛けたい日常生活の注意点

緑内障と診断されても、日常生活を必要以上に制限する必要はありません。ただし、緑内障のタイプによって、薬や生活上の注意点が異なります。

視野を長く守るためには、生活習慣を整えるだけではなく、医師の指示に従って治療を続けることが基本です。ここでは、日常生活で意識したいポイントを解説します。

閉塞隅角タイプの人が避けるべき「抗コリン作用」のある薬

閉塞隅角緑内障や狭隅角緑内障の方は、抗コリン作用のある薬に注意が必要です。市販の風邪薬や花粉症薬、胃腸薬などに含まれる場合があります。

抗コリン作用によって瞳孔が広がると、房水の流出路である隅角がさらに狭くなることがあります。その結果、眼圧が急激に上昇する急性緑内障発作を誘発する恐れがあります。

急性緑内障発作は、重い視機能障害につながる可能性があるため注意が必要です。一方、開放隅角緑内障では、一般的に同様の服用制限はありません。

他科を受診するときや薬局で薬を購入するときは、自身の緑内障のタイプを伝えましょう。服用中の薬に不安がある場合は、自己判断で中止せず、医師や薬剤師に相談してください。

日常生活におけるセルフケアと心がけ

読書やパソコン、スマートフォンの使用自体が、緑内障を悪化させるわけではありません。そのため、目を使う行動を過度に制限する必要はないでしょう。

ただし、長時間うつむいた姿勢を続けると、一時的に眼圧が上がる場合があります。一度に大量の水を飲む行動も避け、少量ずつ摂取することが望ましいです。

また、十分な睡眠を取り、疲労をためない生活を心掛けてください。無理なく継続できる生活習慣を整えることが大切です。

特に注意したいのは、自己判断で点眼や通院を中断することです。点眼治療と定期検査を続けることが、視野を守る上で重要なポイントとなります。

まとめ

緑内障によって一度失われた視野は、現在の治療でも元には戻りません。一方で、自覚症状のない初期段階で発見し、適切な治療を続ければ、長く付き合っていける病気です。

緑内障は40歳頃から発症リスクが高まります。症状がなくても、40歳を過ぎたら年1回を目安に眼科検査を受ける習慣を作りましょう。早期発見は、生涯にわたり見え方を守るための重要な鍵です。

ご自身だけではなく、高齢のご家族の見え方に変化がないかを確認することも大切です。

秋葉原白内障クリニックと分院・アイクリニック高輪ゲートウェイ診療所では、緑内障の精密検査や治療に関するご相談を受け付けています。近隣にお住まいで、見え方に不安がある方はお気軽にご相談ください。

記事監修者について

院長 原田 拓二

眼科医 原田 拓二

医療法人社団廣洋会理事長
本院・秋葉原白内障クリニックと分院・アイクリニック高輪ゲートウェイ診療所にて毎年2,000人を超える白内障患者の診察に従事。
また、年間700件以上のYAGレーザー治療(後発白内障)を行い、あらゆるタイプの白内障の術前・術後診療に精通する。

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