2026年9月07日

「緑内障と診断されたら、すぐに失明してしまうのではないか」と不安を感じる方もいるでしょう。
緑内障は、視野の変化に気付かないまま進行する病気です。しかし、早期に発見し、適切な治療を継続することで、視野と視力を保つことが期待できます。
本記事では、緑内障で失明に至るリスクや正常眼圧緑内障の特徴、3つの基本治療を解説します。緑内障と診断され、今後の見え方が心配な方はぜひ参考になさってください。
【この記事で分かること】
- 緑内障の進行速度には個人差があり、診断後すぐに失明するとは限らない
- 緑内障は自覚症状に乏しいため、早期発見と定期的な検査が重要である
- 緑内障の治療では、眼圧を下げて視野と視力を保つことを目指す
- 緑内障には点眼薬やレーザー、手術などの治療方法がある
緑内障と診断されたら失明するの?
緑内障と診断されても、すぐに失明するわけではありません。進行の程度には個人差があり、適切な治療を継続することが重要です。
一方、急激に眼圧が上昇する急性緑内障発作では、速やかな治療が必要です。ここでは、緑内障と失明の関係について詳しく見ていきましょう。
未治療で放置した場合は失明まで20~30年程度
失明に至るまでの期間には個人差がありますが、一般的には未治療で放置した場合、失明に至るまでに20~30年かかると言われています。一度障害された視神経を元に戻すことはできません。緑内障では早期から適切な治療を続け、視野と視力を保つことが重要です。
実際に失明に至る割合は全体の約5%
緑内障は、日本における失明原因の第1位とされています。一方、緑内障と診断されたからといって、全ての方が失明に至るわけではありません。 緑内障を発症した後、失明に至る割合は全体の約5%と言われています。日本眼科医会では、早期に発見して適切な治療を受けることで、生涯にわたって視野と視力を保つことを目指せるとしています。自覚症状がなくても治療を中断せず、定期的に状態を確認することが大切です。
※参考:公益社団法人 日本眼科医会.「緑内障といわれた方へ―日常生活と心構え―」.https://www.gankaikai.or.jp/health/56/index.html ,(参照2026-08-18).
数日で失明を招く「急性緑内障発作」は例外
急性緑内障発作は、慢性的に進行する緑内障とは経過が異なり、数日で失明する恐れがあります。
閉塞隅角では、房水の流れが妨げられて眼圧が急激に上昇することがあります。発作が起こると、目の痛みやかすみに加え、頭痛や吐き気などを伴うことがあります。急激な眼圧上昇によって視神経が障害される恐れがあるため、速やかな治療が必要です。
急な目の異常がある場合は速やかに眼科を受診してください。
注意すべき緑内障の特徴と原因
緑内障は、40歳以上の方に一定の割合で見られる目の病気です。日本人では、眼圧が正常範囲内でも発症するタイプが確認されています。
また初期や中期には自覚症状が乏しく、気付かないまま進行することもあります。ここでは、緑内障の有病率や特徴について見ていきましょう。
40歳以上の20人に1人が発症する身近な目の病気
緑内障は、高齢者だけが発症する病気ではありません。日本緑内障学会の「多治見スタディ」では、40歳以上の緑内障有病率は5.0%でした。
これは、40歳以上の20人に1人に緑内障が見られる割合です。また日本眼科医会では、年齢とともに緑内障になる人が増えると示しています。
自覚症状がなくても緑内障が見つかることはあります。年齢だけで判断せず、眼底検査などを受けることが早期発見につながるでしょう。
眼圧が正常でも進行する「正常眼圧緑内障」
緑内障は、眼圧が高い方だけに起こる病気ではありません。眼圧が正常範囲内でも視神経が障害される「正常眼圧緑内障」があります。
多治見スタディでは、正常眼圧緑内障は緑内障全体の約7割でした。また原発開放隅角緑内障の約9割を占めると報告されています。
眼圧の正常範囲は通常10~20mmHgとされています。ただし、眼圧だけで緑内障の有無を判断することはできません。
眼底検査や視野検査などを組み合わせ、視神経の状態を確認することが重要です。
初期から中期は自覚症状がほとんど現れない
緑内障は、初期や中期では自覚症状がないことがあります。視野に異常があっても、両目で見ていると気付きにくいためです。
進行すると、目のかすみや文字の読み飛ばしなどを自覚することがあります。一度障害された視神経を元に戻すことはできません。
そのため、見え方に不自由を感じていなくても油断は禁物です。眼科で眼底や視野などを確認し、早期発見につなげることが大切です。
緑内障の進行を遅らせる3つの基本治療
緑内障の治療では、眼圧を下げて視神経への負担を減らし、病気の進行を抑えることを目指します。
主な治療法は、点眼薬治療・レーザー治療・手術治療の3つです。病型や進行度などに応じて、適した方法が検討されます。
以下で一つずつ見ていきましょう。
毎日欠かさず継続する「点眼薬治療」
点眼薬治療は、緑内障に対して行われる基本的な治療法です。眼圧を下げる点眼薬を使用し、視神経への負担を軽減します。
1種類で十分な効果が得られない場合は、複数の点眼薬を組み合わせることもあります。自覚症状が乏しくても、自己判断で点眼を中断しないことが大切です。
点眼薬によっては、充血やまぶたの色素沈着などが生じる場合もあります。気になる症状があれば中断せず、医師に相談しましょう。
外来で房水の排出を促す「レーザー治療」
緑内障では、病型や眼圧の状態に応じてレーザー治療が選択される場合があります。
代表的な方法が、選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)です。線維柱帯にレーザーを照射し、房水の排出を促して眼圧を下げます。
また閉塞隅角に対しては、レーザー虹彩切開術(LI)が行われることもあります。虹彩に孔を開け、房水が流れる経路を確保する治療です。
治療後も効果には個人差があるため、定期的に眼圧や視野を確認する必要があります。
眼圧のコントロールが不十分な場合の「手術治療」
点眼薬やレーザー治療でも眼圧を十分に下げられない場合は、手術治療が検討されます。
代表的な術式には、線維柱帯切開術があります。線維柱帯を切開し、房水が排出されやすい状態を目指す方法です。
また線維柱帯切除術では、房水を眼外へ流す新しい経路を作ります。患者さまの病型や眼圧などに応じて、術式が選択されます。
いずれの手術も、失われた視野を元に戻す治療ではありません。眼圧を下げ、さらなる進行を抑えることが目的です。
まとめ
緑内障は、自覚症状が乏しいまま進行することがある病気です。一度障害された視神経を元に戻すことは難しいため、早期発見と継続的な治療が重要になります。
治療では点眼薬やレーザー、手術などを用いて眼圧を管理します。治療中も定期的に受診し、視野や視神経の状態を確認することが大切です。
秋葉原白内障クリニックでは、緑内障専門外来を設け、必要に応じて、レーザー治療や手術治療にも対応しています。
目の見え方に違和感がある方や、緑内障について不安を感じている方は、お気軽にご相談ください。
記事監修者について

眼科医 原田 拓二
医療法人社団廣洋会理事長
本院・秋葉原白内障クリニックと分院・アイクリニック高輪ゲートウェイ診療所にて毎年2,000人を超える白内障患者の診察に従事。
また、年間700件以上のYAGレーザー治療(後発白内障)を行い、あらゆるタイプの白内障の術前・術後診療に精通する。

