単焦点眼内レンズ
「単焦点眼内レンズ」は、現在の白内障手術で使用される最も一般的なレンズです。健康保険が適用される手術になりますので、手術代は健康保険の負担割合に応じた自己負担金で手術が受けられます。当院では保険診療の眼内レンズにおいても最新・最良のものを用いており、Alcon社製の着色非球面眼内レンズ「Clareon」を第一選択として採用しております。着色眼内レンズには紫外線に近い波長の色をより吸収する効果があります。水晶体の役割はピント合わせの役割だけでなく、有害光線を吸収・除去する働きも持っています。白内障手術ではその水晶体を取ってしまいますので、新たに移植する眼内レンズにもこの機能を持たせる必要があります。その為、着色レンズには加齢黄斑変性症などの紫外線等が誘因と考えられる病気の予防にもなると期待されています。非球面レンズは、球面レンズと比較すると収差(像のゆがみ)が少なく、見え方がクリアになります。特に瞳孔が大きくなる夕方から夜間にかけて、よりクリアに見える利点があります。
Clareon(Alcon社)SY60WF/Y6CNW0T3~9(トーリック)
Clareon眼内レンズは、レンズの表面が滑らかで広域かつ鮮明な視覚を長期的に維持できるように設計されており、高性能で新しい疎水性アクリル素材を使用しています。また、眼内レンズの弱点であった、光の輪や半輪が見える異常光視症を軽減した最新の眼内レンズです。
※角膜乱視のある方には全例Clareonトーリックレンズを使用しております。
手術後の見え方
「単焦点眼内レンズ」は、「手元」か「遠く」の1点にしかピントが合わせられませんが、合わせた距離にはピッタリと合い、鮮明に見えます。ただし、その他の距離はメガネでの調整が必要になります。例えば、手元にピントを合わせた場合はスマホや読書などには不自由しません。遠くに合わせた場合は信号や看板、景色が良く見えます。したがって単焦点眼内レンズは「メガネをかけない状態で、どの距離を一番見えるようにしたいか?」で決めます。
当院では、
- 手元にぴったりと合わせる
- 遠方にぴったりと合わせる
- 遠方弱めにピントを合わせる
の3パターンから患者様に選択してもらっています。
モノビジョン法(保険診療)
モノビジョン法では、片眼は遠方に焦点を合わせ、もう片眼は近方に焦点を合わせます。これによりメガネなしで遠くも近くも見える生活を実感できるという方法です。しかし左右がアンバランスになり距離感がつかめなかったり、眼精疲労を起こすことがあるので、当院では推奨しておりません。昔から片目が近視、片目が正規で過ごしてきた人の場合にはモノビジョンにすることも可能です。医師とよく相談の上、決定してください。
プレミアム単焦点レンズ
AT TORBI(ZEISS社):自由診療
当院ではカールツァイス社の単焦点レンズを扱っております。保険診療の眼内レンズでは製造範囲外の度数をカバーしており、強度の近視や乱視の方でも高性能な眼内レンズを提供することが可能です。