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眼内コンタクトレンズ(ICL/IPCL)治療と白内障手術の関係は?

2026年5月12日

眼内コンタクトレンズ(ICL/IPCL)治療と白内障手術の関係は?

近年、視力矯正の選択肢として眼内コンタクトレンズ治療(ICL/IPCL)を受ける人が増えたことで「ICLやIPCLをしている状態で白内障になったらどうなるのか」という不安を抱える方も多くなっています。

結論からいえば、ICL/IPCL手術を受けた後でも白内障手術を受けることは可能です。ただし、眼内にレンズが入っている分、診療や手術計画には特有のポイントがあります。

本記事では、ICL/IPCL治療と白内障手術の違いや、治療後に白内障が進行した場合の治療の流れ、費用制度の基本を分かりやすく解説します。

【この記事で分かること】

  • ICL/IPCL治療と白内障手術の根本的な違い
  • ICL/IPCL経験者が白内障になった場合の治療の流れ
  • 費用制度(保険診療・高額療養費制度)の基礎

ICL/IPCLとは?白内障手術との大きな違い

ICL/IPCL治療は、近視や乱視などの屈折異常を矯正する手術です。レーシック手術とは異なり、角膜を削ることなく眼内にレンズを挿入する手術治療です。手術後は「裸眼」と同じ感覚で日常生活を送れる点が最大の特徴であり、コンタクトレンズのように汚れがついたり劣化することがないので、お手入れや交換の必要はありません。目への負担も比較的少ない手術ですので、角膜が薄い方、ドライアイの方にも適応できる視力矯正法として、近年注目されています。

一方、白内障手術は水晶体が濁る病気に対する治療であり、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズへ置き換える方法です。

このように、ICL/IPCLと白内障手術は病気の治療と目的が明確に異なります。いずれもレンズを扱いますが、手術の内容や適応は全く別の医療行為であるため、混同せずに理解することが大切です。

ICL/IPCLを受けた人が白内障になった場合の基本的な考え方

ICL/IPCL手術を受けていても、水晶体が濁る白内障は誰にでも起こり得ます。加齢と共に白内障が進行する可能性は避けられません。

ICL/IPCLを挿入している人でも白内障手術は可能であり、治療の流れが大きく変わるわけではありません。一般的には、白内障手術の前にICL/IPCLを取り外してから、濁った水晶体を除去し眼内レンズへ置き換える手術が行われます。 診察や検査の段階では、ICL/IPCL経験者ならではの確認が必要になることがあります。例えば、眼内のスペースや術前計測の精度など、レンズが入っていた眼の状態を踏まえて慎重に評価することが重要です。

ICL/IPCL後の白内障手術の流れ

ICL/IPCL手術を受けた後に白内障が進行した場合、一般的な手順はまずICL/IPCLを取り外し、その上で白内障手術を行う流れになります。これは眼の内部を安全に操作するために必要な工程です。

術前検査では、角膜の形状や眼内の奥行き、レンズの位置などを丁寧に確認し、眼に無理のない手術計画を立てます。

医療機関によっては、ICL/IPCLの抜去と白内障手術を同じ手術内で続けて行うケースもあります。手術後は通常の白内障手術と同様に、炎症や眼圧の変化を確認しながら経過を観察していきます。

ICL/IPCL手術は白内障のリスクに関係する?

ICL/IPCL手術を受けたこと自体が、白内障を引き起こす直接的な原因になるわけではありません。ICL/IPCLは水晶体より前の位置に挿入するため、水晶体そのものへ与える影響はごくわずかです。そのため「ICL/IPCLを入れたから白内障になりやすい」という因果関係は基本的に認められていません。

またICL/IPCLは通常、水晶体と虹彩の間に適切な位置で安定して収まるよう設計されていますが、まれにレンズが水晶体に近づき過ぎてしまい、接触によって白濁を生じるケースがあります。これは頻度としては極めて少ないものの、術前検査で選択したレンズサイズが完全なオーダーメイドではないため、わずかな個体差によって位置にズレが生じる可能性があるためです。 もしICL/IPCLが水晶体に近づいていても、見え方に支障がなければ経過観察で問題ない場合もあります。ただし、濁りが視力に影響している場合には、レンズを取り出し、白内障手術を検討することがあります。いずれにしても、ごく限られたケースであるため、過度に心配する必要はありません。

ICL/IPCL後に白内障手術を検討する際の注意点

ICL/IPCL手術を受けている場合、診察時にその手術歴を必ず医師へ伝えることが重要です。挿入されていたレンズの度数や位置といった情報は、白内障手術の計画を立てる上で欠かせないため、可能であれば手術記録などを持参するとスムーズです。

ICL/IPCLが入っていた眼では、眼内のスペースや術前計測の進め方が通常とは異なる場合があります。そのため、より丁寧な事前評価が必要となり、医師と十分に相談しながら治療のタイミングを決めることが大切です。 また白内障手術にかかる費用や流れは医療機関によって異なるため、早い段階で相談することで、自分に合った選択肢を理解しやすくなります。安全で納得のいく治療につなげるためにも、疑問点は遠慮なく相談しましょう。

ICL/IPCLと白内障手術の費用の違い

ICL/IPCL手術は視力矯正を目的とした自由診療のため、保険適用にはなりません。費用は医療機関によって異なりますが、診察・手術・術後ケアまでを含めた自己負担となる点が特徴です。

一方、白内障手術は病気の治療として行われるため、公的医療保険の対象となります。一般的には3割負担、70歳以上では1〜2割負担となるケースが多く、治療にかかる費用はICL/IPCL手術に比べて大幅に軽減されます。

また高額療養費制度を利用することで、一月当たりの自己負担額に上限が設けられます。条件を満たせば自己負担がさらに抑えられるため、治療費が大きくなる場合でも安心して手術を受けられる仕組みです。

ICL/IPCL治療の費用目安

ICL/IPCLは自由診療のため、費用はクリニックごとに異なります。一般的には、レンズの種類や度数、乱視の有無、術前検査の内容によって金額が変わります。費用には、レンズ代、手術費、術後の診察が含まれることが多く、近視が強い方や乱視がある方では、レンズの種類が変わることで金額に幅が出ることがあります。

白内障手術の費用

白内障手術は公的医療保険の対象となるため、自己負担は3割、または年齢・所得に応じて1〜2割となります。さらに、高額療養費制度の対象となるため、一月の実質負担額には上限が設けられています。この制度を利用すると、治療費が高額になった場合でも負担を抑えることが可能です。 費用の内訳には、手術料、検査料、使用する眼内レンズの種類などが含まれます。一般的な単焦点レンズは保険適用ですが、多焦点レンズなど特殊なレンズは自由診療となることがあります。こちらも費用の詳細はクリニックによって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

まとめ

ICL/IPCL手術と白内障手術は目的も方法も異なる手術であり、ICL/IPCLは視力矯正、白内障手術は病気の治療として行われます。この点を理解しておくことが、将来の見え方に不安を感じたときの判断に役立ちます。

ICL/IPCL手術を受けている方でも、加齢によって白内障が進行した場合には手術が可能です。大切なのは、診察の際に過去の手術歴やレンズの情報を正確に伝えることです。これにより、より安全で適切な治療計画を立てることができます。

見え方の変化は自分では気づきにくいこともあるため、気になる症状があるときや年齢とともに視力が変化してきたと感じるときは、早めに専門医へ相談することをおすすめします。

記事監修者について

院長 原田 拓二

眼科医 原田 拓二

医療法人社団廣洋会理事長
グループクリニックにて毎年2,000人を超える白内障患者の診察に従事。
また、年間700件以上のYAGレーザー治療(後発白内障)を行い、あらゆるタイプの白内障の術前・術後診療に精通する。

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