2025年12月06日
網膜硝子体手術を受けた後の過ごし方について「どのくらいで回復するの?」「日常生活で気を付けることは?」と不安を感じる方は少なくありません。術後は目の状態が安定するまで一定の時間がかかり、通院や生活上の注意を守ることが回復を早める鍵となります。
この記事では、網膜硝子体手術の概要を踏まえ、術後の経過や見え方の変化、日常生活での注意点を分かりやすく整理します。異変を感じたときの対応や再手術の可能性についても紹介し、安心して回復を目指すための基礎知識をまとめました。術後の過ごし方に不安がある方は、まず正しい情報を知り、医師の指示を守りながら焦らず回復を見守りましょう。
この記事で分かること
- 手術後の一般的な経過と回復の流れ
- 術後に気を付けたい症状と生活上の注意点
- 異変があった場合の対応と相談先
網膜硝子体手術とは?
網膜硝子体手術は、目の奥にある「硝子体」や「網膜」に異常が生じた際に行われる外科的手術です。硝子体とは眼球の大部分を満たすゼリー状の物質で、約99%が水分からできています。光を通して網膜に像を結ぶ役割があり、その透明性が保たれて初めて、私たちは鮮明にものを見ることが可能です。
しかし硝子体が濁ったり出血したりすると、視界がかすむ場合や、網膜を引っ張って網膜剥離を引き起こす場合があります。こうした状態を改善するために、濁った硝子体を取り除き、網膜の修復や再固定を行うのが網膜硝子体手術です。目的は、視力の回復や進行の抑制、網膜の正常な位置への再固定などにあります。
網膜硝子体手術の術後の経過
手術後は、目の状態が安定するまでに一定の時間を要します。視界はすぐに回復するわけではなく、数日~数週間かけて徐々に見え方が落ち着いていくのが一般的です。網膜や硝子体は繊細な組織であり、手術による刺激や炎症の影響が残るため、回復のスピードには個人差があります。
術後は経過観察のため、定期的な通院が欠かせません。多くの場合、手術翌日・1週間後・1カ月後など、医師が定めたスケジュールに沿って診察が行われます。眼圧や網膜の状態、炎症の有無などを確認し、必要に応じて点眼や治療内容が調整されます。眼圧が高い場合には、連日での受診を指示されることもあるでしょう。
この時期に大切なのは、医師の指示を忠実に守ることです。見え方が安定してきたように感じても、自己判断で点眼を中断したり通院を省略したりするのは避けましょう。経過をきちんと確認しながら治療を継続することが、再発や合併症の予防につながります。
術後に見られる一般的な症状
術後の数日〜数週間は、視界がかすむ・ぼやける・ゆがむといった見えづらさが一時的に続くことがあります。これは眼内の炎症やガス・オイルの使用によるもので、時間の経過と共に改善していく場合が多いです。ガスを用いた場合は、視界の上部に半透明の丸い影が見えることもありますが、時間と共にガスが吸収され、解消していくのが一般的です。
こうした見え方の変化は一時的なものであり、ほとんどの方は数週間ほどで落ち着きます。回復の速度には個人差があるため、焦らずに経過を見守ることが大切です。
術後に起こり得る合併症
一方で、強い痛みや急激な視力低下、視野の一部が暗く見える、黒い影が動くといった症状が現れた場合は注意が必要です。これらは網膜の再剥離や感染など、術後の合併症を示す可能性があるため、すぐに医療機関へ連絡し、指示を仰ぐようにしましょう。
代表的な合併症としては、術後感染や硝子体(再)出血、網膜裂孔、網膜剥離、増殖硝子体網膜症、緑内障などが挙げられます。これらはどれも早期に対応すれば改善することが多いため、自己判断で放置せず、異常を感じたら早めの受診が重要です。
網膜硝子体手術の術後の過ごし方
手術直後は眼内の状態が不安定なため、数日間は安静が求められます。特に、手術内容によっては「うつ伏せ姿勢」を一定期間保つよう指示されることがあります。これは、眼内に入れたガスやオイルを網膜に密着させるのに必要な処置で、指示に従わないと再剥離の原因になることもあるでしょう。
洗顔や洗髪、入浴などの日常生活は、目に水が入らないよう注意が必要です。入浴は翌日から許可されることもありますが、湯気や汗が目に入らないよう短時間で済ませましょう。仕事や運転、運動の再開時期は症状や回復の程度によって異なるため、医師の許可を得てからにします。
術後に処方される点眼薬(抗菌薬や抗炎症薬など)は、感染や炎症を防ぐ目的で使われます。指示された期間中は自己判断で中断せず、用法・用量を守って使用しましょう。清潔な手で点眼を行い、容器の先端がまぶたやまつ毛に触れないよう注意することも大切です。
再手術が必要となるケース
手術後に再び網膜が剥離したり出血が起こったりする場合には、再手術が必要になることがあります。これらは術後の経過観察中に見つかるケースが多く、定期的な診察を受けることで早期発見が可能です。 自覚症状が軽い場合でも、異変を感じたときは放置せず、早めに受診しましょう。特に、視界の黒い影や視野欠損などがあるときは、再剥離のサインであることがあります。医師の指導を守り、再発防止のためのケアを継続することが大切です。
まとめ
網膜硝子体手術の術後は、視界の安定までに時間がかかる場合があります。焦らずに回復を見守り、医師の指導に沿って通院や点眼を続けることが大切です。痛みや視力低下など異常を感じた際は、自己判断せず速やかに医療機関へ相談してください。適切な対応によって再発防止や回復促進につながるでしょう。
不安や疑問がある方は、網膜硝子体手術の経験が豊富な秋葉原白内障クリニックへぜひお気軽にご相談ください。
