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糖尿病網膜症の手術にかかる費用は?自己負担額の目安や事前に確認しておくべきことを解説

2026年1月10日

糖尿病網膜症の手術にかかる費用は?自己負担額の目安や事前に確認しておくべきことを解説

糖尿病網膜症の治療を検討する際、多くの方が最初に気になるのが「手術にはどれくらい費用がかかるのか」という点です。結論として、糖尿病網膜症の治療は多くが保険適用内で受けられますが、進行度によって治療法が大きく変わり、費用にも幅があります。

初期段階で行われるレーザー光凝固術から、進行したケースで選択される硝子体手術まで、必要となる治療内容によって負担額は異なります。

本記事では、主な手術の種類と費用の目安、高額療養費制度の活用、さらに術前・術後にかかる費用まで体系的に解説します。

費用の理解は大切ですが、早期治療こそが視力を守るための重要なポイントです。

この記事で分かること

  • 糖尿病網膜症の主な手術とその特徴
  • 手術費用の目安と保険適用の考え方
  • 高額療養費制度を含む費用負担の仕組み

糖尿病網膜症とは? 手術が必要になる前に知っておきたい基礎知識

糖尿病網膜症は、糖尿病の三大合併症の一つとして知られ、国内の中途失明原因の上位にも挙げられる深刻な病気です。高血糖状態が長く続くことで眼の奥にある網膜の血管がダメージを受け、視力に影響を及ぼします。

進行段階は「単純網膜症」「前増殖網膜症」「増殖網膜症」の3つに分けられます。初期の単純網膜症では自覚症状がほとんどないことが多く、気づかないうちに進行することが少なくありません。前増殖網膜症からは血管の異常やむくみが現れ、増殖網膜症では新生血管や硝子体出血など重い症状が起こり、手術が必要になることがあります。

自覚症状が乏しくても進行すれば視力低下のリスクが高まるため、早期発見と定期的な眼科受診が非常に重要です。

糖尿病網膜症で行われる主な治療法

糖尿病網膜症の治療は、進行度に応じてレーザー治療、硝子体手術、薬物治療など複数の選択肢があります。ここでは代表的な治療法の特徴を整理します。

網膜光凝固術(網膜光凝固)

網膜光凝固術は、糖尿病網膜症で異常な血管の増殖や出血を防ぐ目的で行われるレーザー治療です。高血糖で障害を受けた網膜の周辺部にレーザーを照射することで血管の負担を減らし、進行を抑える効果が期待されます。外来で可能なケースが多く、比較的負担の少ない治療とされています。

治療後に一時的な見えにくさやまぶしさを感じることがありますが、多くは時間の経過とともに改善するとされています。また照射範囲が広い場合には視野が狭く感じられることがあるため、治療前に丁寧な説明を受けておくことが大切です。 早期の段階で選択されることが多い治療であり、進行予防において重要な役割を果たします。

網膜硝子体手術(硝子体切除術)

網膜硝子体手術は、硝子体出血や網膜剝離の危険性が高い場合に選択される外科的治療です。濁った硝子体を取り除き、必要に応じて網膜の状態を整えることで視機能の回復を図ります。増殖網膜症が進行したケースでは、視力を保つ上で欠かせない治療となることがあります。

多くの場合で入院が必要となり、手術後は一定期間の安静や経過観察が求められます。術後には視界のかすみやぼやけなどが続くことがありますが、時間とともに改善が見られるケースが多く、医師の指示に従って経過を確認することが重要です。

出血や牽引による網膜への負担が強い場合に有効とされ、増殖網膜症で行われる代表的な治療の一つです。

薬物治療(抗VEGF薬注射)との併用

抗VEGF薬の注射は、網膜のむくみ(黄斑浮腫)を改善する目的で行われる治療で、増殖因子の働きを抑えることで進行を抑制します。単独で行われる場合もありますが、症状により手術と併用されることもあります。 保険診療の範囲で行われ、使用する薬剤によって費用が異なる点が特徴です。症状の程度により注射回数が必要となることもあるため、治療計画は医師の判断に基づき決定されます。

糖尿病網膜症の手術などにかかる費用の目安

糖尿病網膜症の治療費は、受ける治療の種類によって大きく変わります。レーザー治療、硝子体手術、薬物治療など、どの治療が必要になるかは症状の進行度によって異なるため、ここでは代表的な治療ごとの費用の概要を整理します。

網膜光凝固術の費用

網膜光凝固術は保険適用の治療であり、自己負担割合によって費用が変わります。参3割負担の場合で数万円台となるケースが一般的です。1割負担の場合はその約3分の1、2割負担では約2分の1が目安となります。

ただし、光凝固術そのものの費用に加えて、初診料・再診料、検査費用(眼底検査、OCTなど)が別途必要になる場合があります。治療前後には複数回の通院を行うことも多く、検査の種類や回数によってトータルの費用が変動します。

網膜光凝固術は外来で受けられることが多い治療であり、比較的負担を抑えて進行予防ができる点が特徴です。

網膜硝子体手術の費用

網膜硝子体手術は外科的治療であり、治療内容の性質上、レーザー治療より費用が高くなるのが一般的です。3割負担で片眼当たり数万〜十数万円程度が目安とされています。手術の方式(小切開硝子体手術など)や処置内容によっても金額が変わるため、同じ「硝子体手術」であっても費用には幅があります。

硝子体手術は入院が必要となるケースが多く、その場合は手術費用の他に入院費・食事代・ベッド代が別途かかります。入院日数に応じて費用が変動するため、事前に見積もりを確認しておくことが重要です。 症状が進行した増殖網膜症の場合に選択される治療であり、治療費は高額になりやすいものの、保険適用により一定の負担軽減が図られます。

抗VEGF薬治療の費用

抗VEGF薬による治療は、薬剤費と注射手技料を合わせた費用が発生します。薬剤によって費用に大きく差があり、同じ「抗VEGF治療」であっても金額が変わる点が特徴です。3割負担でも数万円規模になる場合があり、薬剤の種類が費用に直結します。

この治療は網膜のむくみ(黄斑浮腫)の改善や進行抑制を目的として行われ、複数回の注射が必要となるケースもあります。回数や治療計画によってトータル費用が変動するため、治療前に医師から具体的な説明を受けておくことが大切です。 抗VEGF薬治療も保険診療の範囲で行われ、症状の程度に合わせて治療内容が決まります。

高額療養費制度を利用した場合の自己負担額の目安

高額療養費制度は、医療費が一定額を超えた場合に、自己負担額を軽減できる公的制度です。厚生労働省の定める上限額を基準としており、収入区分に応じて月ごとの自己負担限度額が決まります。医療機関で支払った金額がこの上限を超えた分は、後から払い戻しを受けられる仕組みです。

70歳未満と70歳以上では上限額が異なり、一般的に70歳以上の方が自己負担額は低く設定されています。また同じ世帯で複数の医療費が発生した場合や、複数回高額医療が続いた場合に負担が軽減される仕組みもあります。 糖尿病網膜症で行われる網膜光凝固術や硝子体手術も、この制度の対象となります。高額の費用が必要となる治療でも、制度を利用することで実際の支払い額を大きく抑えられることが多いため、事前に限度額や申請方法を確認しておくことが重要です。

その他発生する可能性のある追加費用

糖尿病網膜症の治療では、手術費用以外にも検査費や通院費、点眼薬などの費用が発生する場合があります。ここでは代表的な項目を整理します。

診断・画像検査(OCT・蛍光眼底造影など)

糖尿病網膜症の診断や進行度を評価するためには、眼底検査やOCT(光干渉断層計)、蛍光眼底造影などの画像検査が用いられます。これらの検査は、網膜のむくみの程度や血管の異常、新生血管の有無を確認するために必要なもので、治療方針を決める上で欠かせません。

多くの検査が保険適用となっており、自己負担割合に応じて費用が決まります。検査費は数千〜1万円台程度となることが多く、検査の内容や組み合わせによって金額が変動します。 治療前だけではなく、治療後の経過観察でも同様の検査を行うことがあるため、検査費用が複数回発生する点も理解しておくことが必要です。

手術前後の通院費・点眼薬費

糖尿病網膜症の治療では、手術の前後に複数回の通院が必要になるケースが多くあります。術前は状態を評価するための検査や診察が行われ、術後は経過観察や炎症の有無を確認するための通院が続くことがあります。これらには再診料や検査費がかかるのが一般的です。

また術後には炎症や感染を予防するための点眼薬が処方される場合があり、薬剤費が別途必要となります。症状に応じて内服薬が用いられることもあり、治療内容によって必要な薬剤が異なります。

手術費用だけではなく、検査・通院・薬剤費などを含めた「トータル費用」で見積もることが大切であり、治療前に医療機関へ確認しておくと安心です。

費用面で失敗しないために事前に確認しておくべき項目

糖尿病網膜症の治療費は、同じ保険診療であっても医療機関によって差が生じることがあります。これは、手術設備や検査機器の種類、入院体制の違いなどによって費用構成が変わるためです。また保険適用内の治療であっても、初診料・再診料・検査料は医療機関ごとに異なる場合があります。

事前に確認しておくべきポイントとして、まず「手術費用に何が含まれているか」を把握することが重要です。手術料だけではなく、入院費、麻酔、薬剤費、検査費など、どこまでが手術費に含まれるのかを確認することで、想定外の支出を防ぎやすくなります。 高額療養費制度を利用する場合は、上限額や申請手続きについて事前に確認しておくと安心です。医療機関から見積りをもらい、総額のイメージを持っておくことで、費用面での不安や誤解を減らし、治療に集中しやすくなります。

まとめ

糖尿病網膜症は、進行すると手術が必要になることもある病気であり、視力を守るためには早期の受診と適切な治療が欠かせません。治療方法にはレーザー治療から硝子体手術までさまざまな選択肢があり、必要となる治療の内容に応じて費用も大きく異なります。

手術費用が高額になるケースでも、高額療養費制度などの公的制度を利用することで、実際の自己負担額を大きく軽減できる可能性があります。治療前に制度の仕組みを理解し、費用面の不安を解消しておくことが大切です。

当院においても糖尿病網膜症の治療を積極的に行っておりますので、お気軽に相談ください。

記事監修者について

院長 原田 拓二

眼科医 原田 拓二

医療法人社団廣洋会理事長
グループクリニックにて毎年2,000人を超える白内障患者の診察に従事。
また、年間700件以上のYAGレーザー治療(後発白内障)を行い、あらゆるタイプの白内障の術前・術後診療に精通する。

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