目薬による白内障の進行抑制について｜正しい理解と使用のポイント

白内障は、水晶体の濁りによって視界がかすんだり、まぶしさを感じたりする病気です。初期の段階では、点眼薬によって進行を抑える治療が行われることがあります。ただし、目薬で白内障そのものの治療はできず、濁りを取り除くには手術が必要です。日常の見えづらさを感じたら、早めに眼科を受診して自分の症状に合った治療方法を確認しましょう。

この記事で分かること

• 白内障の目薬が使われる目的と、その限界
• 日本で承認されている主な点眼薬の種類とそれぞれの作用
• 白内障の目薬を使う際に注意すべきポイント

白内障とは？

白内障は、目の中にある「水晶体（すいしょうたい）」が濁ることで、視界がかすんだり、まぶしさを感じたりする病気です。水晶体はカメラのレンズのような役割を持ち、透明な状態で光を通しますが、白内障を発症すると徐々に濁りが生じ、視界がかすむような症状が現れます。

発症の主な原因は加齢ですが、糖尿病や外傷、ステロイド薬の長期使用などが引き金となる場合もあります。初期の段階では軽い見えづらさや光のまぶしさを感じる程度で、自覚しにくいケースも少なくありません。

治療の基本は手術による濁りの除去ですが、進行が緩やかな初期の白内障では、点眼薬による

治療が行われることもあります。症状の進行を感じたら、早めに眼科で相談することが大切です。

白内障の目薬の目的と種類

白内障の目薬は、進行を緩やかにすることを目的とした治療薬です。すでに濁った水晶体を透明に戻す効果はなく、あくまで進行抑制を目的として使用されます。日本で承認されている点眼薬は2種類あり、どちらも医師の指導の下で適切に使用することが重要です。自己判断での継続や中断は避け、定期的な診察を受けながら経過を確認しましょう。主に使われる2種類の目薬について解説します。

ピレノキシン

ピレノキシンは、日本で古くから使われている代表的な白内障治療薬の成分です。すでに濁ってしまった部分を元に戻すものではありませんが、初期段階の症状に対して処方される場合があります。水晶体が濁る一因とされる「キノイド物質」の生成を抑えることで、白内障の進行を遅らせる働きが期待されます。点眼の継続により安定した効果を得るためには、医師の指示に従って適切に使用することが大切です。

グルタチオン

グルタチオンは、抗酸化作用を持つ成分で、水晶体内のタンパク質変性を防ぐ働きがあるとされています。酸化ストレスを抑え、水晶体の透明性を保ちやすくすることを目的に処方されることが多いです。ピレノキシンと併用するケースもあり、医師が患者の症状に応じて処方を判断します。

白内障の目薬を使用する際のポイント

白内障の目薬は、正しく使用することで効果を十分に発揮します。まず、医師から指示された回数や回数間隔を守ることが基本です。自己判断で回数を増やしたり減らしたりすると、十分な効果が得られない場合があります。

使用前は、成分が均一になるよう容器をよく振ってから点眼します。また他の点眼薬を併用している場合は、少なくとも5分ほど間隔を空けて使用するのが望ましいです。これは、薬液が混ざって作用が変わるのを防ぐためです。

点眼後はすぐにまばたきをせず、1分ほど軽く目を閉じておくと、薬が目全体に行き渡りやすくなります。こうした基本を守ることで、点眼薬の持つ本来の効果を維持しやすくなります。

白内障手術が必要になるタイミング

白内障の点眼薬で対応できるのは、進行が比較的緩やかな初期段階までです。濁りが進み、日常生活で不便を感じるようになった場合は、手術を検討することが一般的です。例えば「まぶしくて運転が難しい」「文字が読みにくい」「暗い場所で見づらい」などの症状が続く場合は、手術の必要性を判断する目安になります。

特に核白内障が進行している方や、急性緑内障発作を起こす恐れがある方は、早めの手術を勧められることもあるでしょう。最近では短時間で終わり、体への負担も比較的少ない日帰り手術が主流です。

白内障はゆっくりと進行する病気のため、定期的に眼科を受診して状態を確認することが大切です。自覚症状が軽い場合でも放置せず、医師に相談することで、より適切な治療のタイミングを見極められるでしょう。

まとめ

白内障の目薬は、濁ってしまった水晶体を治すものではなく、進行を緩やかにするための「進行抑制薬」です。症状の進行には個人差があるため、目薬の効果を過信せず、定期的に検査を受けて状態を確認することが大切です。

見えづらさやまぶしさが強くなってきた場合は、手術を含めた治療を検討する時期かもしれません。近年では日帰りで受けられる白内障手術も一般的になっており、術後の回復も比較的早い傾向があります。

白内障の進行を上手にコントロールするためには、医師の診断の下で自分に合った治療法を選ぶことが重要です。症状や治療の選択について悩んでいる方は、白内障手術に豊富な実績を持つ秋葉原白内障クリニックへご相談ください。