〒110-0016東京都台東区台東1-3-5 反町商事ビルディング4F

Tel. 03-5846-3500

簡単!WEB予約
院内写真

白内障手術後の生活ガイド|経過・回復の目安や主な合併症、通院の目安を解説

2025年11月21日

白内障の手術を受けると、濁っていた水晶体が取り除かれ、視界が明るく感じられるようになります。しかし手術後しばらくは、まぶしさやかすみなどの一時的な違和感を覚えることも多いです。こうした症状は基本的に経過と共に落ち着いていきますが、やはり不安に感じるものです。事前に回復までの流れを理解しておけば、そのような不安を軽減させられるでしょう。

この記事では、白内障手術後の一般的な経過や注意すべき症状、日常生活で気を付けたいポイントを紹介します。術後の見え方や過ごし方に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

【この記事で分かること】

  • 白内障手術後の経過と回復までの目安
  • 起こりやすい合併症とその対処の基本
  • 生活上の注意点と通院の目安

白内障手術後の経過と回復の目安

白内障手術の直後は、視界がぼんやりしたり、光をまぶしく感じたりすることがあります。これは眼内レンズが入ったばかりの目がまだ安定していないために起こる、一時的な反応です。個人差はありますが、数日~1週間ほどで徐々に見え方が落ち着き、生活に支障がない程度まで回復していくケースが多いです。

翌日には「明るく見えるようになった」と実感する方もいれば、焦点が合いにくい時期が続く方もいます。一般的に、視力が安定してくるのは1〜4週間ほどで、日を追うごとにコントラストや色の見え方がはっきりしてくるのが特徴です。手術を受けた側の目が回復してくるにつれ、左右の見え方の違いを感じる場合もあります。

また視力は手術後すぐに完全に回復するわけではなく、こちらも安定するまでに数週間かかることがあります。回復のスピードは年齢や体調、目の状態によって異なるものです。中には、視界に黒い影のようなものが見える「飛蚊症(ひぶんしょう)」が気になる方もいますが、多くの場合は経過観察で問題ありません。

ただし視界のかすみや痛み、急な視力低下などが続く場合は、合併症が起こっている可能性もあるため、早めに医師へ相談することが大切です。

白内障手術の合併症

白内障手術は目の手術である以上、わずかながら合併症が起こる可能性があります。その多くは軽度にとどまり、適切な処置により回復しますが、症状を見逃さずすぐに再受診することが大切です。異常を感じたら放置せず、早めに相談しましょう。ここでは主な合併症とそれぞれの特徴を紹介します。

炎症や感染症

手術後は一時的に目の中で炎症が起きる可能性があります。多くは軽度で済み、処方された点眼薬や内服薬をきちんと使用することで改善が見込めますが、まれに強い炎症や感染症が発生することもあるため注意が必要です。

また手術による炎症反応によって引き起こされる可能性があるのが、角膜のむくみ(角膜浮腫)や一時的な眼圧上昇です。眼圧が高い状態が続くと目に負担がかかるため、必要に応じて点眼薬や内服薬を使用します。症状によっては点滴での治療を行うケースもあります。

さらには、ごくまれに起こるのが「術後眼内炎」です。これは目の内部に細菌が入り炎症を起こす病気です。発生頻度は約0.02%と低いものの、強い痛みや急激な視力低下を伴う場合があり、重症時には緊急手術が必要になるケースもあります。軽度であれば点眼や内服で改善を目指せます。術後に指示された点眼薬を正しく使うことが、感染予防の基本です。

後発白内障

手術を終えた数カ月~数年後、再び視界がかすんでくる場合があります。これは「後発白内障」と呼ばれる合併症です。

後発白内障は、眼内レンズを包む水晶体嚢(すいしょうたいのう)の後ろ側が時間の経過と共に濁ってしまうことが原因で発症します。白内障が再発しているわけではなく、自然な経過の一つといえる症状です。発症の時期には個人差があり、数カ月で見え方に影響する方もいれば、数年たってから気づく方もいます。 治療はレーザーを用いた「YAGレーザー後嚢切開術」によって、濁った膜を取り除く方法が一般的です。外来扱いとして数分ほどの短時間のうちに処置が完了し、治療後は再び視界が明るく感じられるようになります。

眼内レンズのトラブル

白内障手術では、濁った水晶体の代わりに人工の眼内レンズを入れます。通常であれば固定されて安定しますが、レンズがずれたり支える組織がゆるんだりすることにより、まれに「眼内レンズの偏位」や「脱臼」が起こる場合があります。

こうしたトラブルが起こると見え方がゆがむ、二重に見える、視界の一部が暗くなるといった症状が現れる可能性があります。軽度であれば経過観察で問題ない場合もありますが、ずれが大きいと再手術が必要になることがあります。

再手術では、レンズを固定し直す「眼内レンズ強膜内固定術」を行うケースや、眼内レンズを一度摘出し「硝子体手術」を同時に行うケースがあります。

手術後の生活で気を付けたいこと

白内障手術後は、創口(そうこう)が完全に閉じるまでの間、感染を起こさないように細心の注意が必要です。特に術後1週間は、強く目をつぶったりこすったりする行為を避けましょう。目に圧力がかかると、傷口が開いて炎症を起こす恐れがあります。外出時は風やほこりを防ぐために、保護眼鏡やサングラスを掛けて出かけるとよいです。

また術後の生活では「いつから何を再開できるのか」という点も気になるところです。以下に、主な日常動作の再開目安を紹介します。なお最終的な判断は、実際に手術を受けた医療機関の指示に従うようにしてください。

入浴・洗顔・お化粧などの再開時期

入浴や洗顔などは、手術後すぐには再開できません。目に水や汚れが入ると感染の原因になるため、清潔さを保ちながらも慎重に行う必要があります。

例えば秋葉原白内障クリニックでは、首から下の入浴は手術の翌日から可能としています。湯船につかる場合は目をぬらさないように注意しましょう。洗顔や洗髪、お化粧はおおむね術後1週間ほどたってからが目安です。特にアイメイク(アイラインやマスカラなど)は、目の粘膜に近い部分を刺激するため、2週間程度は控えるのが望ましいです。

また洗髪の際はシャンプーや泡が目に入らないように顔を上向きにするなど、工夫が求められます。術後は汗や水が入らないように気を配りながら、少しずつ日常生活を取り戻していきましょう。

運動や仕事への復帰

軽い運動やデスクワークなら、術後の経過が順調であれば比較的早い段階で再開できるでしょう。秋葉原白内障クリニックでは、散歩や家事程度の軽い動きについて、手術の翌日から問題ないとしています。

一方で力を使う仕事については、傷口に負担をかける恐れがあるため、少なくとも1週間は控えてください。スポーツジムでのトレーニングや水泳などの激しい運動は、汗や水が目に入るリスクが高いので、1カ月程度は控えましょう。

またデスクワーク復帰の際には、長時間のパソコン作業で目を酷使しないよう、小まめに休憩を取ることが大切です。体調や回復の進み具合を見ながら、無理のない範囲で日常に戻るよう意識してください。

車の運転再開のタイミング

車の運転は、視力が安定してからでなければ危険です。白内障の手術後は、見え方が一時的に変化したり光のにじみ(グレア)を感じたりすることがあります。そのため運転を再開できるのは、視力が十分に回復し、夜間のまぶしさにも慣れてからです。

秋葉原白内障クリニックでは、運転の再開目安を「矯正視力0.7以上」としています。これは道路交通法で定められた運転適性基準に基づいたものです。手術後の再診時に医師へ相談し、運転の許可が出てから再開しましょう。

無理に運転を始めると、見え方の不安定さが事故につながる危険があります。最初は昼間の明るい時間帯に短距離から慣らしていくのがおすすめです。

新しい眼鏡の購入時期

白内障手術では濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを入れます。そのため、手術前に使用していた眼鏡の度数が合わなくなることもあるでしょう。

秋葉原白内障クリニックでは、新しい眼鏡は目の状態が安定し、創口の治りも落ち着く術後1カ月以降に作ることを推奨しています。それまでは仮の眼鏡で対応し、必要に応じて視力検査を行いながら度数を調整してください。

また時期をずらして左右の目の手術を行う場合には、両眼のバランスが整うまで新しい眼鏡の作成を待つ必要があります。焦らず経過を見守りながら、適切なタイミングで眼鏡を作りましょう。

術後の通院目安

白内障手術後は、経過を確認するために定期的な通院が必要です。秋葉原白内障クリニックでは、術後の炎症や眼圧の上昇がなければ、手術翌日に最初の診察を行い、その後は数日後、1週間後と通院間隔を延ばしながら経過を診察していきます。紹介状を持参された方は術後1週間程度の診察を当院で行い、経過に問題がなければ、以降の診察は紹介医にお戻りいただきます。

まとめ

白内障手術後の回復には個人差がありますが、適切なケアと定期的な診察を続けることで、視力は安定していきます。多くの場合、時間の経過と共に見え方が改善していきますが、まぶしさやかすみなどの違和感が長く続くときは、早めの受診が安心です。

手術後の目はデリケートな状態のため、医師の指示を守り、点眼や生活上の注意を怠らないことが何よりも重要です。自己判断で受診を中断したり、ケアを省略したりすると、せっかくの回復が遅れる場合もあります。

秋葉原白内障クリニックでは、医師がお一人おひとりの回復状況に合わせてアドバイスし、日常生活に戻るためのサポートを行っています。白内障手術が気になっているものの術後の経過や生活面に不安があるという方は、ぜひお気軽にご相談ください。

記事監修者について

院長 原田 拓二

眼科医 原田 拓二

医療法人社団廣洋会理事長
グループクリニックにて毎年2,000人を超える白内障患者の診察に従事。
また、年間700件以上のYAGレーザー治療(後発白内障)を行い、あらゆるタイプの白内障の術前・術後診療に精通する。

TOP