2026年1月09日

「白内障手術には入院が必要なのか」「日帰り手術とどう違うのか」などと疑問を抱く方は少なくありません。現在は医療技術の進歩により、白内障手術の多くが日帰りで行われていますが、全身状態や生活環境によっては入院が適しているケースもあります。
本記事では、入院が必要になる理由や具体的な流れ、費用の目安までを分かりやすく解説します。また入院の適応は医師による診断が欠かせないため、まずは安心して相談できる眼科を受診することが大切です。
この記事で分かること
- 白内障手術で入院が必要となる主な理由
- 入院手術の流れや費用の概要
- 日帰り手術との違い
白内障手術は入院が必要? 現在の主流と選び方の基本
白内障手術は医療技術の進歩により、現在は日帰りで行う方法が一般的です。手術時間が短く負担が少ないことから、多くの方が入院せずに治療を受けていますが、全身状態や生活環境によっては入院が適している場合もあります。 入院が必要かどうかは「どちらが良いか」ではなく、症例や体調、家族のサポート状況などを含めて医師が総合的に判断します。まずは専門医に相談し、現在の目の状態や治療の選択肢を確認することが大切です。
日帰り手術と入院手術の違い
白内障の日帰り手術は、短時間で手術を終え、その日のうちに帰宅して自宅で安静に過ごすスタイルです。一方、入院手術は術前・術後の管理を医療機関内で行う点が特徴で、体調面の不安がある方やサポートが必要な方に向いています。
両者の違いは「手術方法」ではなく、術後の管理体制にあります。どちらが適しているかは、患者の全身状態や生活環境、合併症リスクによって変わるため、医師の診断に基づいて判断することが重要です。 それぞれのメリットデメリットを一覧にすると、以下の通りです。

白内障手術で入院が必要になる理由
白内障手術には日帰りと入院の2つの方法がありますが、入院が選ばれる背景には「手術後をどのように過ごすか」という観点が大きく影響します。白内障手術そのものは短時間で行われますが、術後は眼の状態や全身のコンディションを慎重に見守る必要があります。こうした術後管理を医療機関内で行う方が安心できる方や、自宅とは異なる環境の方が安全に過ごせる状況にある方にとって、入院は重要な選択肢です。
ここでは、医師が入院の必要性を判断する際に着目するポイントを、代表的なケースごとに紹介します。
全身状態の管理が必要なケース
糖尿病、心疾患、高血圧といった持病がある場合、手術後の体調変動に備えた慎重な管理が必要になることがあります。白内障手術は比較的負担の少ない治療ですが、術後は血糖値や血圧が変動しやすく、持病によってその変動が大きくなることがあります。 このような場合、医療スタッフが常に状態を確認できる入院環境の方が安心です。手術自体が問題なく進んだとしても、術後の全身管理を優先して入院を選ぶケースは珍しくありません。
合併症リスクが高いケース
目の状態によっては、術後に炎症が強く出やすい、眼圧が変動しやすい、もともとの眼疾患があるなど、合併症リスクが高いと判断されることがあります。術後管理を慎重に進める必要がある場合は、日帰り手術と同じ手順で治療を行ったとしても、術後を医療機関で過ごす入院が提案されることがあります。 炎症の経過観察や点眼調整、症状変化への対応を小まめに行えるため、入院は安全性を高める選択肢として有効です。
自宅療養が難しいケース
独居である、家族のサポートを得られない、日常生活の動作に不安があるなど、自宅での療養が難しいケースも入院が検討されます。白内障手術後は定期的な点眼や安静が重要で、自宅の環境によっては十分に対応できないことがあります。
また誤って目をぶつける、水が入るといった日常的なトラブルは感染リスクにつながるため注意が必要です。入院はスタッフによるサポートや環境管理が整っており、自宅での管理に不安がある方にとって安心して過ごせる選択肢となります。
入院手術のメリット
入院手術のメリットは、術後の不安が大きい初期の時期を医療機関で過ごせる「安心感」と、生活環境が整った「療養のしやすさ」にあります。手術後は眼の状態が安定するまで注意が必要ですが、入院の場合は医師や看護師が近くにいるため、些細な変化にも気付いてもらいやすく、心配を抱えずに過ごすことができます。 また点眼のタイミングや目を守るための注意点などを自分だけで管理せずに済み、スタッフに相談しながら進められる点も大きな利点です。安静を保ちやすい環境が整っているため、自宅での生活では気を付けにくい場面でも、安心して術後を過ごせます。
入院手術のデメリット
入院手術の最大のデメリットは、入院に伴う費用が追加でかかる点です。白内障手術自体は保険診療ですが、室料・食事代・管理料などが上乗せされるため、日帰りよりも自己負担額が増える可能性があります。特に個室を利用する場合は差額室料が発生することもあります。
また入院期間が必要になるため、仕事や家事など生活スケジュールの調整が求められるでしょう。慣れない環境で過ごすことによるストレスや、病室での生活リズムに合わせなければならない点を負担に感じる方もいます。 そのため、入院は「誰にとっても必要」というものではなく、安全性や生活環境を考慮して医師が必要と判断したケースに限られるという点を理解しておくことが大切です。
入院で行われる白内障手術の流れ
白内障手術を入院で受ける場合、術前の検査から退院までの過程が医療機関内で一貫して管理されます。各タイミングでスタッフが経過を確認してくれるため、体調面に不安がある方でも安心して手術を受けられる体制が整っています。
入院前の検査と準備
入院手術では、まず視力・眼圧・眼底検査や血液検査などの術前検査を行い、手術に問題がないかを確認します。持病がある方は、必要に応じて内科との連携が取られる場合もあり、全身状態をしっかりと把握した上で手術に臨みます。 また入院前には点眼薬の使い方や当日の注意事項が説明され、生活上の準備についても案内があります。医療機関ごとのルールに沿って必要な持ち物や注意点を確認し、余裕を持って準備することが大切です。
入院当日の流れ
入院当日は、受付後に病室へ案内され、血圧測定や点滴など手術に向けた準備が行われます。白内障手術自体は短時間で終了しますが、その前後に必要な処置や確認があるため、時間にゆとりをもって進行するのが一般的です。 手術が終わった後は、回復室で安静にしながら術後の状態を観察します。異常がなければ医師の診察を受け、眼の保護や点眼の方法などの説明を受けた上で病室へ戻ります。その後は一定時間安静にし、体調や眼の状態が安定しているかを慎重に確認します。
術後の経過観察と退院まで
術後は、翌日の診察で眼圧や炎症の状態を詳細にチェックします。この診察で問題がなければ退院となり、その後は外来で定期的に経過を確認していきます。退院後も点眼の継続や生活上の注意が必要になるため、医師の指示を守りながら過ごすことが重要です。
入院の目的は、術後の変化にすぐ対応できる体制を確保し、安全性を高めることにあります。自宅での管理が不安な方や持病のある方にとって、入院は安心して治療を進められる有用な選択肢となります。
入院日数の目安と費用の考え方
白内障手術を入院で受ける場合、多くの医療機関で一定の流れが共通しています。入院日数は比較的短く、費用の内訳も「手術費用」に加えて「入院に伴う費用」が発生する点が特徴です。事前に全体像を知っておくことで、より安心して治療に臨めます。
一般的な入院日数
白内障手術の入院期間は、多くの医療機関で1〜2泊が一般的です。手術自体は短時間で終わるものの、術後の眼圧や炎症の状態を確認するために翌日の診察が必要となるため、この程度の入院日数が確保されています。 ただし、患者の体調や持病、術後の経過によっては入院期間が前後することがあります。医療機関の方針や個々の症例によって異なるため、あらかじめ担当医師に目安を確認しておくと安心です。
入院費用の内訳
入院手術の費用は「白内障手術そのものの費用」に加えて「室料・食事代・管理料などの入院費」が加算される形で構成されます。白内障手術は保険診療の対象であり、自己負担割合(1〜3割)に応じて支払額が変わります。 入院費用は医療機関ごとに大きく異なるため、事前に見積りを確認しておくことが重要です。個室か大部屋かといった病室の種類によっても金額が変わるため、施設ごとの説明をよく聞き、納得した上で入院を検討しましょう。
高額療養費について
白内障手術を入院で受ける場合、医療費が一定額を超えると自己負担分が払い戻される「高額療養費制度」を利用できることがあります。この制度では、年齢や所得区分に応じた自己負担限度額が設定されており、その金額を超えた分は後から支給される仕組みです。入院手術では費用が高くなりやすいため、事前に確認しておくと負担軽減につながります。
まとめ
白内障手術は医療技術の進歩により日帰りが主流となっていますが、全身状態や目の状態、生活環境によっては入院が適しているケースもあります。入院が必要かどうかは「持病の有無」「合併症のリスク」「自宅での療養が可能か」といった複数の要素を踏まえて医師が判断します。
入院と日帰りのどちらが適しているかは、個々の状態を診察しなければ分からないため、不安がある場合は早めに医療機関へ相談することが大切です。まずは現在の眼の状態を正しく知り、最適な治療方針を確認することから始めましょう。
白内障治療を専門とする秋葉原白内障クリニックでは、入院設備はありませんがホテルで自由にゆっくりと過ごせる「術後サポートプラン」https://akihabara-eye.com/day-surgery/をご用意しております。
このプランを利用することで、日帰り手術でも入院手術と同じような安心感や快適さを得られます。 また当院では診断や治療相談の窓口としてサポートを行っています。まずはご自身が入院が必要なケースかどうかを知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
記事監修者について

眼科医 原田 拓二
医療法人社団廣洋会理事長
グループクリニックにて毎年2,000人を超える白内障患者の診察に従事。
また、年間700件以上のYAGレーザー治療(後発白内障)を行い、あらゆるタイプの白内障の術前・術後診療に精通する。
