白内障手術の不安を軽減するために知っておくべきポイント①|白内障手術なら秋葉原白内障クリニック|多焦点レンズ・網膜硝子体疾患・緑内障など各種日帰り手術対応

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白内障手術の不安を軽減するために知っておくべきポイント①

白内障手術の不安を軽減するために知っておくべきポイント①|白内障手術なら秋葉原白内障クリニック|多焦点レンズ・網膜硝子体疾患・緑内障など各種日帰り手術対応

2025年4月03日

日本では年間約150万件の白内障手術が行われており、一般的な治療となっています。

とは言え、患者さんからしたら「手術が必要です」と言われたら不安を感じることでしょう。

実際に

・手術は痛そう

・手術中に手術器具が見えて怖そう

・ちゃんと見えるようになるのか

・合併症が起きたらどうしよう

などの質問を受けることもあります。

白内障手術を受けられる方の不安を解消し、安心して手術を受けて頂けるポイントを本コラムで2回に分けてご案内いたします。

手術前の不安と心構え:不安を払拭しよう

白内障手術に不安を感じるのは、目の手術という特別感や手術のやり方、痛みや失敗への心配などが大きな要因です。特に「視覚は外部情報の80%」を得ている大切な器官であるため、少しのリスクでも過度に意識してしまう傾向があります。

まずは主治医の診察を通じて、自分の目の状態や症状をよく理解し、十分な説明と相談を受けてください。

適切な治療方法を選択するために、手術内容やリスク、術後の経過などを具体的に尋ね、腑に落ちるまで確認することで漠然とした不安が和らぎます。

また、手術前にはリラックスできる環境を整え、心身ともに十分な休息をとることが大切です。無理のない生活を送り、緊張や不安を抱えない状態で手術に望むことが理想的です。

白内障手術の基本情報:適切な知識が安心へのカギ

白内障手術は技術や道具の進歩で安全性が飛躍的に増加し、多くの方が安全に手術を受けております。

麻酔は一般的には局所麻酔で体への負担はありません。点眼麻酔はつけた直後にしみることはありますが、麻酔自体で痛みを感じることはありませんし、麻酔をかけてから手術を行いますので、手術中は痛みの心配はありません。

また、手術中は目に光を当てていますので視界はぼんやりとしか見えません。手術器具が見えることはなく、何となく影が動いていると感じる程度です。

手術時間は通常10分前後で、傷口も縫わないで終了します。通常の白内障では日帰り手術で行われますので、術後は自宅でゆっくり過してください。回復が早い方でしたら、手術翌日からクリアな見え方になっています。

ただし、糖尿病など全身疾患や白内障以外の目の病気をお持ちの方は状況が違ってくることもありますので、事前に主治医と相談して適切な治療法を選択しておくことが大切です。

また、術後のケアも重要であり、定期的な診察、点眼治療など指示に従って適切にケアを行い、安全な回復に心がけていくことが必要です。

リスク(合併症)への不安の軽減:医師との十分な相談が大切

繰り返しになりますが、現在の白内障手術の安全性はとても高く、多くの患者様が安心して手術を受けることが可能になっています。白内障手術はほとんど失敗のない手術と言っても過言ではありません。それでも外科手術ですから、リスクがゼロというわけではありません。

次に白内障手術におけるリスク(合併症)をお話していきます。

手術中のリスク

  • 破嚢(はのう)

眼内レンズを入れるために水晶体を包んでいる袋は残しておきますが、濁った水晶体を除去する際に、この袋が破けてしまうことがあります。

  • チン小帯断裂

チン小帯は水晶体を支える役割がありますが、手術前からこのチン小帯が痛んでいると、手術中にチン小帯が切れてしまうことがあります。アトピーや目の外傷歴がある場合にみられることが多く、ある程度、事前に予測することが可能です。

  • 虹彩緊張低下症候群(IFIS)

手術は散瞳下(虹彩を収縮させ、瞳孔を広げた状態)で行いますが、手術中に虹彩の状態が不安定になりなることがあります。代表例は前立腺肥大症の治療薬(α₁ブロッカー)の内服で、事前にお薬手帳で確認させて頂くことで予測できる場合が多いです。

  • 駆逐性出血

手術中に突然、目の奥(網膜下)で出血が起こることで、手術前に予測することは困難とされています。発生頻度は極めてまれで、ほとんど起こることはないとされています。

術後のリスク

  • 眼圧上昇

手術の影響で眼圧が上昇することです。通常は自然に正常に戻りますが、程度によっては角膜(黒目)が白く濁り(角膜浮腫)手術直後の視力不良やかすみの原因となります。速やかな処置や点眼薬の使用で治療が可能です。

  • 創口閉鎖不全

白内障手術の傷口は約2mmと小さく縫わなくても閉じますが、稀に切開創がうまく閉じないことがあります。治療用コンタクトレンズを着けることで傷口を保護することで良くなります。場合によって、傷口を縫合することがあります。

  • 感染症(眼内炎)

術後に傷口から細菌感染を起こした場合に起こります。決められた注意事項を守り、きちんと手術後の点眼治療を行えば、まず起こることはありませんが、万が一発症した場合は、重篤な後遺症を残すことがあり、注意が必要です。

  • 嚢胞性黄斑性浮腫

術後の炎症で、網膜の黄斑という部分に水がたまり、浮腫(むくみ)が起こることがあります。術後の点眼治療をきちんと行うことで予防することが可能です。

  • 後発白内障

白内障手術後に、眼内レンズを入れるために残した袋が濁ることで、手術前のような眩しさやかすみ、視力低下を起こすことがあります。後発白内障を生じた場合は、入院・手術は必要なく、レーザーで簡単に治療が可能です。治療は数分で終わり、視力もすぐに回復します。

  • 網膜剥離、緑内障

アトピーや強度近視の方は、一般的な方と比べ網膜剥離を起こしやすいと言われています。そのような方は白内障手術後、稀に網膜剥離を起こす場合があります。早期に発見した場合は手術を必要とせずに、レーザーで治療が可能です。仮に網膜剥離が起きた場合でも、適切な手術を行うことで治療が可能です。決められた通りに診察を受けて頂くことが大切です。

また、術前に眼圧が高いと言われた方や緑内障の治療中の方は、術後に眼圧が高くなることがあります。適切な治療やお薬の使用で正常に戻りますので、事前に医師にご相談ください。

これらの合併症のうち「後発白内障」以外は起こる可能性は非常に低い稀な合併症になります。過度な不安を感じる必要はありませんが、それでも不安に感じてしまうことがあると思います。そんな時は、医師に自分が感じている疑問や不安を相談してください。術後のケアや注意事項をきちんと行い、定期的な診察を受けてチェックをしていけば、仮に合併症が起きた場合でも早期発見、早期治療を行うことで回復できます。

また、何か問題や異常に感じることがあった場合は速やかに医師と相談することが大切です。これらの対応をしていくことで、安全、安心した治療を受けることができます。

次回は白内障手術を受ける際のクリニック選びについてご案内いたします。

白内障手術の不安を軽減するために知っておくべきポイント②

記事監修者について

院長 原田 拓二

眼科医 原田 拓二

2008年に秋葉原白内障クリニックの院長に就任以降、
毎年2,000人を超える白内障患者の診察に従事。
また、年間700件以上のYAGレーザー治療(後発白内障)を行い、あらゆるタイプの白内障の術前・術後診療に精通する。

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